若かりし頃のわたしの吉原ソープ嬢体験記。
第五話はこちら。
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【吉原物語】第五話、吉原での日々
若かりし頃のわたしの吉原ソープ嬢体験記。 第四話はこちら。 ついにソープ ...
皆さまと共に振り返ってきた吉原物語も今回が最終話だよ。
吉原を卒業した日のことは、今でもとってもよく覚えてる。
それくらい印象的な最終日だった。
では、そんな吉原からの旅立ちを描いた吉原物語最終話、いってみよー!
最終話、さようなら、吉原
ソープ嬢になって一年が過ぎた。
最初は上手くできなかったマットも少しは上達して、上手いねと時々褒めて貰えるようになった。
新人ソープ嬢が入店したら店の中の事を教えてあげられるようにもなった。
この業界は入れ替わりが早い。
店の女性は六割がわたしの入店当時のままで、四割は新しい顔になっていた。
写真は初めての撮影から二度撮り直して少しだけ表情の柔らかい写真が増えたと思う。
指名も、最初はそれまでの店に比べて獲得するのに苦労したものだが徐々に常連と呼べるお客が増え始めていた。
わたしはすっかり吉原のソープ嬢になっていた。
そんな頃、事情があって引越しをする事になった。
吉原からは随分と離れた場所。
通おうと思えば通えない事はないが、ずっと続けるのはしんどいかなと感じる距離。
少し悩んだが、わたしはその機会に店を辞める事にした。
店や環境には何も不満が無かったし、出来ればもっと続けていたい。
ただ当時のわたしはまだ二十代前半で、このまま何年もここに居続けるのは少し早いような気持ちがあった。
わたしのいた店、というよりも価格設定の高いソープは二十代後半から三十代前半の女性が主力になる事が多い。
何故なら若さだけを売りにはしていないからだ。
ソープに来るお客は店のカラーにもよるが雰囲気や気遣い、セックスに本気になれる(または演技の)真剣さを求めている。
今がそんなに出来るという訳ではないが、当時のわたしは今より更に子供で雰囲気作りなど全く出来ていなかった。
色気もあまり無く、気が付けばすぐにサバサバした感じになってしまっていたと思う。
意識して努力したつもりだが、経験豊富な先輩達にはやっぱりかなわなかった。
それに自分が特殊な世界にいるという事はぼんやりと理解していた。
このまま自分の意思で抜け出せなくなるまで浸かってしまうのは多少の抵抗がある。
だからこの機会に一度離れてみようと思ったのだ。
そしてもう少し歳をとって、もし戻りたくなったら戻ってくればいい。
特に仲の良かったお店の子とは休日に遊びに行くほど親しくなっていた。
だけど引越しする事もあり、もうあまり会えなくなってしまう。
それはとても残念なことだ。
最終日の夜、店長と男性従業員全員が廊下の両端に立って送り出してくれた。
たくさんお世話になった店長にお礼を伝えて「また機会があればお願いします」と言ったら「もう戻ってきたら駄目なんだぞ」 と注意された。
そうか、わたしはそういう世界に身を置いていたのだ。
抜け出すことがめでたいとされる世界に。
一度入ればたやすく抜け出すことなど出来ない世界に。
今回はたまたまきっかけがあったから出て行くことになったが、それが無ければきっとずるずるここに居続けただろう。
でもやっぱり、お店もみんなの事も大好きだったから少しだけ切なくて。
ただ、店長のその気遣いはわたしを思う温かいものだからしっかり受け止めなければ。
今後もし吉原に戻ろうと思う事があるならば、きちんと目標を持てない限りはその考えを改めようと心に誓った。
店を出た後は同僚の女性達が送別会を開いてくれた。
なんと、店の大半の在籍嬢が集まって総勢二十人近くが集結するという豪華過ぎる集まり。
そこでは誰もが仕事の後で化粧もボロボロ。
ぐちゃぐちゃに酔って、ソープ嬢ではなく素の彼女達で接してくれた。
その時の楽しい光景は写真に残っており、見ると今でも元気が湧いてくるほどだ。
とても嬉しくてあっという間に時間が過ぎて、朝までずっと笑っていた。
そして少しだけ泣いた。
帰り際、特に仲の良かった子が家の傍までタクシーで送ってくれた。
目的の場所に着いても、わたしはタクシーからなかなか降りる事が出来なかった。
このタクシーを降りたら楽しかったソープ嬢としての日々が本当に終わってしまう。
それはどうしようもなく寂しいことのような気がして。
でも彼女もまた「行きなよ。もう戻ってきたら駄目だからね」 と言って、わたしを送り出してくれたのだった。
彼女の優しさがとても身に染みる。
タクシーを降りたわたしは、彼女の姿が見えなくなるまでずっとずっと見送っていた。
こうして、わたしの吉原での日々は幕を閉じた。

あの日から、八年以上が過ぎた。
仲の良かった何人かの女の子達とは今でもたまに連絡を取っている。
最後にわたしを送ってくれた子は、その後何年かソープ嬢として頑張った後に店を出したそうだ。
今でも吉原で頑張り続けている子もいる。
男にお金を稼いで来いと言われて、でも仕事が辛いと泣いていた彼女は元気だろうか。
今のわたしにはもう理由が無いし状況的にも無理があるので吉原で働く事は出来ないけれど、それでも時々ふと戻りたいなと思ってしまう事がある。
多分それは、あの頃の自分を羨ましいと思っているからだろう。
当時のわたしの行動が良いか悪いかは別として、あの頃のわたしは挫折など一切知らなかった。
何も恐れない純粋な強さがあった。
そう思うと今の自分は恐れてばかりで、つまらない大人になってしまったものだとつくづく思う。
良く言えば思慮深くなったのかもしれないが、無邪気に何かに挑戦する事が無くなってしまった。
昔の心境を振り返りながら吉原の出来事を書いていると、当時の前向きな気持ちがほんの少しだけ戻ってきたような気がする。
目指すものはあの頃とは異なるけど、何でも挑戦してみようと思える自分を取り戻せるといいな。
ちなみに今回書いた吉原の話は先に書いたようにもう随分と昔の事なので、今の吉原とは変わっている部分が多々あるかもしれない。
街の中の事とか吉原全体の客入りとかは特に。
そんな訳で情報の活用(あるのか?)は、自己責任でお願いします。
あとがき
はい、無事に終わってしまいましたー、吉原物語。
楽しんで貰えたかな?
吉原物語を書いたのはソープを卒業して約8年後。
IT業界で営業としてブラックな働き方をしていた頃だったと思う。
最後の方で挫折云々言ってるのは、ちょうどこの頃働きすぎで相当病んでたんだよね。
だからちょっと吉原に戻りたいなあとか思っていたのかもしれない。
結局吉原には戻らずに、その会社でなんとか頑張ったんだけどね。
吉原物語を書いて気が晴れたのかな。
それにしても、第一話を公開してから凄い勢いで駆け抜けちゃってあっという間だったなあ。
そのうち吉原での個別のエピソードなんかも書いてみたい気がする。
(昔過ぎるので、かなり脚色してしまいそうだけどねw)
自分で言うのもなんだけど風俗ネタならそれはもうたくさんあるので、また時々鮮烈なのをピックアップして記事にしてみようと思う。
もしリクエストがあれば『X』で教えてね。
ソープ、ヘルス、デリバリー系、M性感、エステなど色んなジャンルを経験してるよ。
PRするならM性感が一番長いからフェチや変態系の話題が一番豊富かも。
(らいおんとはマニアックな生き物なのですw)
では吉原物語、最後まで読んでくれてありがとう。
またね。